靖幸観察

靖幸ちゃんの私的観察

無駄な延命治療?

数日前の福山雅治氏の結婚の報道を受けて、それよりも前に発表した千原ジュニアの結婚情報が薄れてしまうことを未だ懸念しておりますが、ジュニアご本人は、それすらネタになると仰っているとか  さすがですねー


ということで(?)今日は医療について。
このブログの緩急が、すご過ぎなんですが、ご了承ください土下座


なぜ「無駄な延命治療」というテーマにしたかというと、福山雅治氏のご結婚のニュースがあった日、ある記事がRTされていて、そこのコメントがちょっと気になったからなんです。
ただこのテーマ、とても壮大かつ複雑な問題なので、一概には言い表しにくいこともあります。ですので、これは今の私の考えの一部ということで・・。


クローバークローバークローバー


「無駄な延命治療はしたくない」「自分らしく生きていられないのにベットの上で過ごすのは嫌だ」・・色々思いはあるでしょう。ではいったい【無駄な延命治療】ってなんでしょう?


結論から言うと、「無駄な延命治療って何?」と、私自身もよくわかりません。いわゆる植物状態になった方に、栄養剤や点滴をすること?社会復帰が見込めない状態の方に人工呼吸器を継続して使用すること?がんの末期の方に抗がん剤治療をすること?治る見込みのないのに積極的に治療をすること?


おそらく、イメージや想像から【無駄な〜】とおっしゃっている方も多いような気がしますが、(無駄かどうかは置いといたとして)現在の医療から考えると、延命治療というのは結果論の一つ「でも」あると思います。



例えば、うちの祖母は数年前に脳幹部出血で倒れました。自発呼吸はありますが、意識はありません。医師が私に説明してくださったのですが、その時見たCT画像からして、言葉は悪いのですが、出血量が微妙でした。微妙というのは、出血量が少ないわけでも多いわけでもなく、かつ出血部位から考えて、医療者である私には植物状態が目に見えました。

もちろん、数日の急性期の間に、出血増強や脳浮腫進行によってどうにかなる可能性もありましたが、この時点で、この先どうなるかと言う事は、医師も断定はできませんし、うちの家族らには「とにかくヤバイらしい」という事は分かっても「なんのこっちゃー」だったようです(なので説明しますけど)

そして、数日間、意識障害のまま過ごし、血圧の変動も少なく、脳浮腫の影響もなく、急性期を過ぎれば予想通りの植物状態です。だいたい、この辺りで医師も予後が見えてきます。

約1ヶ月の間、点滴や経管栄養(栄養剤を胃に注入する)を受けながら、おそらく誤嚥で最期を迎えました。86歳の大往生でした。


このように、最初のCTで社会復帰は望めない、植物状態必須ということが医療者には想定されましたが、それがどう転ぶかは神のみぞ知るです。
もう少し詳しく説明すると、植物状態というのは、医学的には遷延性意識障害ですが、「いつ」の段階から遷延性意識障害というのか…?急性期はただの「意識障害」で、その間に死を迎えてしまえば植物状態とは言わない事が多いと思いますが、急性期を脱して状態が安定した段階で意識がない場合は、植物状態という気がします。
このような事から、植物状態になったことは結果論であり、延命治療を避けるためには、植物状態が確定する前に「治療しなくていいです」という選択をしなければならないのです。


急激に倒れた家族に対して、どう転ぶかわからないにも関わらず「点滴も酸素もしなくていいです」という選択をする方は、どのくらいいらっしゃるのでしょう。(もちろん、状態によっては、あらゆる治療をしても厳しいということはありますが、それは医師が説明する通りです)

どのような治療の意思決定をするのかは、その方(ご家族)の死生観、信仰、倫理観、家族関係、経済状況・・などなど多くの要素が絡んでくるので、一概には言い切れません。
極論としては、倒れた時に救急車を呼ばない、病院に連れて行かないということが、無駄な延命を避けるのかもしれませんが、それでは殺人になってしまうかもしれません。

猫猫猫猫猫


このRTが気になった中に、「無駄な延命治療をすると病院が儲かるから?」と書いていらっしゃる方がおられました。
これだけは言っておきます。

それはありません!

治療費というのは、やればやるほど病院が儲かるものではなく、診療報酬として国で決められています。例えば状態が安定した方の数本の点滴はコーヒー1杯程度の金額ですし、経管栄養の手技料はペットボトル1本ぐらい、病院食(経管栄養含む)は、1食650円ぐらいです。(病院食はちょっと高いと思いますが…)
(逆に心臓の手術や重症患者管理は、1日何十万単位ですが)

ちなみに診療報酬というのは2種類あって(詳細はお調べいただくとありがたいのですが)1)主病名に対して国で決められた治療費となる病院(DPC・包括) 2)治療した内容に対して国で決められた治療費となる病院(出来高) があります。病気の治療は「言い値」や「自由診療」ではないので、何れにしても国で決められた金額となります。(美容形成の多くは自由診療なので、保険もきかず料金もバラバラです。なぜなら治療ではないので)


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日本は国民皆保険であることはありがたいのですが、高齢社会の問題もあって、医療費の7割を国が負担するということから、その高騰が問題となっています。

この高騰を受けて、社会復帰の見込めない方の点滴をやめる、経管栄養を中断するという治療選択をする医師もおります。(with draw)  施設によっては、人工呼吸器を外しているところもあると聞きますが、これは日本の法律では・・


少し前に話題になったのは、胃瘻の造設です。今の診療報酬では、胃瘻を作らず鼻から入れた管で過ごす方が病院は加算がつきます。
この背景には、胃瘻造設で栄養維持する事が、ある意味の延命?ということから、このようになったようですが、診療報酬というのは、あくまでも国がどのように仕向けたいか、という方向に加算をつけるので、胃瘻を作らせない方向が、国の方針ということになります。


うさこうさこうさこうさこうさこ


あなたや家族が【無駄な延命治療】を受けたくないというのであれば、
以下のことを気にしてみては如何でしょう。


医師によく聴く
医師の説明は、時に難しい場合があります。しかし、なんでもハイハイと聞いているのがヨシではありません。「その時点」で、医師の見立てはどうなのか?を聞いてみてください。もちろん、医師も断定できないことは多いので、明確に断定できないことも多々ありますが、その場合は何かを隠しているわけではなく、断定できないというのが見立てです。
具体的には、以下のような質問をしてみると良いかもしれません。
社会復帰が可能な状態になりうるのか、社会復帰とまでいかなくても、意志の疎通ができる状態になりうるのか、医師が提示した治療は「一般的」なのか、一般的に、予後や蘇生率はどの程度なのかなど


ネット検索は出典を吟味する
疾患や治療に関して、私も検索はしますが、正確性の保証が曖昧です。いいことばかり、悪いことばかり・・色々でしょう。
もし、検索するのであれば、キチンと出典のわかる、かつ査読のある論文を見ていただく方がいいと思います。


口コミを鵜呑みにしない
医療者以外の方のコメを見ていると、こうやって口コミが広がるのか・・という光景に遭遇しますが、当たっているもの、当たっていないものバラバラです。時には、痩せるという触れ込みのステマを見ているようなコメもあって怖くなります。
お互いに心配したり、情報提供したくなる気持ちはわかりますが、お勧めはできないです。


体験談を鵜呑みにしない
体験談は、とても有益なのですが、その事例が自分の事例と合致しているか否かはわからないです。例えば、先日乳がんを公示された方、一口で乳がんと言っても、発生部位、進行度、大きさ、がんの型、本人の年齢・・などによっても全然違います。


時々、私も「こういう症状だけど、どう?」と聞かれます。しかし、重篤であればあるほど、安易な返答は控えますし、実際に状態やバイタルサイン、検査データもろもろを見てないので、はっきりした事は言えません。


あと、医師の説明内容は、実は看護師も知っています。しかし法律上、医師より先に看護師が詳細な説明をする事は出来かねます。ただし、医師の説明を受けた後、なんだかよくわからないな?と思ったら、是非看護師に聞いてみてください。
おそらく「医師からはなんと説明されましたか?」と聞かれると思います。これはご家族が医師の説明を、どのように理解しているのかを判断しているのであって、医師の説明を正しく理解している場合は、そこに補足説明します。逆に、医師の説明と全く違ってる場合は、再度医師からの説明を調整する場合もあります。



国の決まり、法的問題、倫理的問題、国家資格の範囲など、実はいろいろな事が複雑に絡み合っているので、ご家族の思う通りに説明できず心ぐるしい事もありますが、そこはどうか汲んで頂ければ幸いです。



とても難しく複雑な内容なので、また少しづつ書いてみたいと思います。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。